時効を迎えたおはなし

 
私の手袋は 右と左が微妙に違う
ぱっと見わからないけれど きちんと見ると 実はけっこう違う
はめてみると これまた違和感
 
はて・・・??(笑)
 
実は 私の周りでも まぁまぁ知られている この手袋のお話
家族には この7年間 ひたすら隠してきた 手袋のお話
 
私の手袋は 7年前 母にプレゼントしてもらったもの
温かくて 大人っぽくて 毎日愛用していました
 
あれは もらってから 1ヶ月経ったか経たないかの頃
しばしば酔っ払って家に帰っては 記憶を失くしていた頃・・・
朝になってバッグを覗いたら 手袋がひとつしかない・・・
そんなハズは・・と 何度も何度もバッグをのぞいたけれど
何度何度見ても そこには左手の手袋だけ
 
泣きそうになって 一生懸命頭を研ぎ澄ましたけれど
どこで失くしてしまったのか まったく見当がつかない・・・
 
温かい手袋をと 私のことを思って選んでくれた手袋を
こんな短期間で失くしたなんて知ったら どんなに悲しむだろう・・・
 
夕方 こっそり家を出て いくつもの交番を周り
いくつものお店を周り(どこに行ったのかも覚えてなかった・・・)
この手袋と似たものを探しています と 必死に探しまわりました
紛失届けももちろん書きました
 
見つかりますようにと祈りながら デパートで
できるだけ似た手袋を探しました
とりあえず 見つかるまで・・・と
自分で買った手袋の右と 母からのプレゼントの左で過ごしていました
 
その1週間後
バカな私は もう一度 同じことを繰り返してしまいました
失くなったのは また右手
自分に情けなくなりながら 仕方なく あとで自分で買った手袋の左手を
右手になんとかはめて 過ごしました
 
アメリカや カナダ生活でずっと着けていたのも
母からのプレゼントの手袋の左と 自分で買った手袋の左(を右に)
見るたびに 心が悲しくなりました
 
7年経って 不恰好だけれど 右手に馴染んだ左手用の手袋
私はこれを 当たり前のように7年間使い続けています
 
先日 ふと 実家に戻ったとき
「もうさすがに時効かな」 と 話をしてみることに
 
母に「これ わかる?」 と手袋を差し出したところ
少し戸惑い顔で
「うん、わかるよ(笑)左右が違うでしょう なんで??」
 
7年前の話をしたところ 母はびっくり大笑い
 
母曰く ずっと左右の違いに気付いていて
「どうしてみほちゃんはわからないんだろう??」
と 不思議に思っていたそう
自分が 買うときに間違って 左右異なる手袋を買ってしまったのかと
思っていたそう
 
私のいない間に ちょこちょことはめてみては 首をかしげていたのだそうです
 
なんだか切ない話でしょう?? 笑
 
今となっては 笑いバナシ 時効を迎えた おはなしでした
 
人生いろいろなことがありますから
なかなか人に言えない それこそ一生時効を迎えない話だってあるわけです
ひとつ 時効を迎えて 心が少し軽くなりました 
 
 
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